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シンガポール その日暮らし

夫と娘とシンガポールに引っ越してきました。

戦後70年

8月15日はとうに過ぎてしまいましたが、
今年は太平洋戦争が終結して70年という節目の年ですね。
日本では、戦争関連の特別テレビ番組がたくさん放映されたときいています。

我が家には日本のテレビを視聴する装置は導入していないのですが、
地元のケーブルテレビからNHK World Premiumだけは視聴しています。
主にEテレの幼児向け某プログラムが目当てなのですが。

先日、子供を寝かしつけてから、せっせと床のモップがけなどをしつつ、
「八月十五日、私は〜著名人が語る戦争〜」という番組を偶然見ました。

誰もが知る有名人(漫画家、俳優、医師、漫才師など)が、
8月15日の様子を語るという、タイトル通りの興味深い内容だったのですが、
出演者の年齢を見て、ふと気づきました。
77歳、80歳…

シンガポールの路上やコンドのエレベーターで出会うご老人達も、
戦争を体験したってことだよね、と。

そう、当たり前のことなんです。

そして、日本がシンガポールにしたことを考えると、
本人は子供だったかもしれないけれど、
親が日本軍に殺されたりしたかもしれない、と。
あるいは、戦後、東南アジア各地から、シンガポールに移民してきた人達で、
そういう記憶を持っている方はけっこう多いのではないか…と。

シンガポールは戦時中、日本の占領下にあり、反日の傾向が強かった華人を、
日本軍は少なくとも数千人単位で粛正、虐殺しました。
シンガポールの公文書館は、日本の占領下時代を、「シンガポール近代史に
おける暗黒時代」と位置づけているのだそうです。

そんな第二次世界大戦の悲劇を忘れないための慰霊塔が、シティのど真ん中、
War Memorial Park内にあります。慰霊塔の名前は、
The Memorial to the Civilian Victims of the Japanese Occupationといいます。
(私はその前を何度もタクシーで通っていますが、恥ずかしいことに、
まだ一度も訪れたことがありません)

人骨の発見やその後の調査で明らかになった日本軍の残虐行為に、
反日感情が高まる中、今年の3月に世を去った国父、リー・クアンユーは、
この慰霊塔の除幕式で、
「どんなに痛ましい記憶でも、過去にとらわれず未来を見据えなくてはならない。
日本の占領下で亡くなった人について、忘れてはならないし、そのことを完全
には許すこともできない。しかし、日本人が心からの謝罪をしていることで、
多くの人の苦しみが癒される。私はそう信じている」
というようなことを述べたそうです。

このスピーチ以後、シンガポールの日本に対する反感情はプラスに転じていった
のだそうです。リー・クアンユーの徹底した合理主義、政治手腕は本当に
すごいと思いますが、それはさておき、日本人にとっては本当に感謝すべきこと
ですね。戦後の日本に対する姿勢がこのように打ち出されなかったら、
私のような人間が、のほほんとこの国でぬるま湯に浸かったような生活は
おくれなかったでしょう。

娘が保育園に通いだしたら、点在する戦争関係の記念館や展示は、
一度行かなくてはと思っています。

そして…コレをもう一度読みたい。

www.amazon.co.jp


小学生の頃からですが、8月は太平洋戦争関係の本を1冊は読むのが、
いつの間にか習慣になっていました。読書感想文の宿題なんかもあったし、
夏になると書店に特設コーナーができたりしますしね。
つい手にとる機会が増えるからでしょうか。
でも、妊娠した年の夏はそんな気になれず、その翌夏は0歳児育児で、
もう読書なんてしている場合ではなく…

今夏はシンガポールにいて、自宅にあった本もほとんど処分してきてしまったので、
手元に読める太平洋戦争関係の本がないなーと思っていたのですが、
なんと、まさに再読したいと思っていた半藤一利の昭和史が、
kindleで読めるようになっていました!!うわーん。

娘が保育園に行って落ち着いたら(コレばっかり)、
もう8月は去ってしまうけれど、じっくり読んでみたいと思います。
シンガポールは常夏だしね。

親日的だと感じるシンガポールの人々も、その陰にはそれを乗り越えて
未来を見ようという努力をしてくれがからこその親日であることを、
私は忘れてはいけないなあと思う8月でした。

追記:この記事を書くにあたって、愛読しているこちらのブログを参考に
   させていただきました。
   http://uniunichan.hatenablog.com/entry/20150327LKY-SookChing